- 経年変化のおはなし ~ 小型映画フィルム篇 ~|株式会社 吉岡映像






























































































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経年変化のおはなし ~ 小型映画フィルム篇 ~


ご自宅で眠っているフィルムは、こんな状態になっていませんか?

酢酸臭のするフィルムは要注意。これはビネガーシンドロームという保存経過30年を過ぎると始まる劣化現象です。
近年このフィルムの劣化が激しくなっている傾向にあります。


フィルムは、その構造上支持体(ベース)にゼラチン乳剤が塗布されていることから、時が経つにつれ様々に変化していくことが実証されています。カラーフィルムの変・褪色は形成している色素が光・熱・有機ガス等、外部からの影響で生じる変化です。色素が褪色していく順序は、イエローとシアンが最も早くマゼンダが後になります。

古いカラーフィルムが赤っぽくなってしまうのは、そのためです。


次に、フィルムの支持体の変化です。

初期の段階では、支持体と乳剤の伸縮率の違いとリールに巻かれているフィルムへの力のかかり方により、全体に波をうった様になります。特に編集箇所(フィルムのつなぎ目)の劣化が顕著です。テープで接合した場合には隙間が広がってきたり、テープ自体の粘着性がなくなりはずれてしまいます。
セメントで接合したものは、はがれやすくなり映写機のゲートでひっかかってしまいます。
フィルム支持体の最終変化、それは酢酸分解です。
それはちょうどフィルムが「すこんぶ」のように白い粉をふき、場合によってはべたべたと溶けた状態になってしまいます。
ダブル(レギュラー)8の誕生から60年以上の歴史を持つ8mmフィルムですが、現時点でこの現象はポリエステルベースのシングル8には発生しておらず、トリアセテートベースのダブル8とスーパー8に発生しています。
またこの現象は通常40年以上は発生しないといわれていますが、保存状態によりもっと早く発生することもあります。


弊社では…

こうした症状になってしまったフィルムでも、弊社では入念な手作業によって可能な限りテレシネを行っています。(フィルムの状態によっては不可能な場合もあります。ご了承ください。)
ただし初期の段階のフィルムの巻きぐせ・接合部の劣化は、テレシネの仕上がりに大きな影響が出てしまいます。
そこで、テレシネをご依頼いただく前に皆様がご家庭でできることをご提案いたします。


ご家庭で…

まず、フィルムをリールからほどいていきます。(別のリールへ巻き直していく。)
フィルムが長期間巻かれていた場合は、フィルムが貼り付いていることがあるので注意してください。
その時に接合部もチェックしていき、不良な箇所があればもう一度接合し直してください。(スプライサーが無い場合は弊社におまかせください。)巻きぐせがひどく波打った状態が現れ始めているのであれば、接合部の処理をした後リールへの巻き取り方向を前後反対にしておきます。 この方法はフィルムを長期保存するときには有効なので、一年に一度くらい巻き取り方向を反対にしておくのもよいと思います。


WARNING!


ここ数年の間に、さらにフィルムの劣化が激しくなっている傾向にあります。
上記のように弊社では、これまで巻きぐせがひどく波打ったような状態になってしまったフィルムについてしばらく巻き取り方向を逆にしたり、裏巻きにする措置を行ってきましたが、近年の劣化状況下ではこれらの措置ではベース面と乳剤面とが分離してしまい、乳剤面が剥離してしまうケースが発生しています。
また、一見すると問題なくほどいていけそうなフィルムであっても、リールの外側・内側でフィルムの劣化状態が異なる場合がほとんどです。順調にほどき始めても、途中からフィルムがくっついてしまっており、はがそうとしたらばらばらと割れだしてしまうということも考えられます。
乳剤が剥離してしまうということは大切な映像を失ってしまうことに他なりません。
そこで、裏巻きは比較的保存時間の短いシングル8、スーパー8については有効な手段ですが、特に保存期間の長いダブル8(レギュラー8)については、フィルムが曲がり始めたり白い結晶が発生していましたら、ご自分で措置なさらずに弊社にご連絡いただくなど、まず専門家に劣化の状況とその後の措置についてご相談ください。
それが大切なフィルムを救う近道となります。(2008年6月現在)

さらに詳しいフィルム種別傾向と弊社の修復方法についてはこちら

弊社では、皆様の大切なフィルムをお預かりしテレシネ作業をする中で、フィルムの経年変化を研究しています。
ご不明な点がございましたら、お電話かメールにてお気軽にご質問ください。


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yoshioka.image8@cotton.ocn.ne.jp