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小型映画フィルムの修復とテレシネに挑むChallenging restoration and telecine transfer of small format films | ||
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弊社が8mmを代表とする小型映画フィルムの修復とテレシネを始めて、約8年あまりが経ちました。 |
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●はじめに |
「町の途絶えた伝統芸能を復元したい」、「曾祖父の撮った映像を見てみたい」、「母の生前の姿にふれたい」等々、またこの一年多くのフィルム修復にたずさわってきた。ようやく家庭・企業・行政・博物館などの保存されているフィルム映像のアーカイブの動きを感じられるようになった。 もくじへ |
●家族の記録を写したい |
映画が「活動写真」として日本の社会に浸透して行き、家庭でも扱える撮影機・映写機が開発されるまでには映画の発明からおよそ30年の月日を待たなければならなかった。まずいちばんの問題は、フィルムの材質についてであったろうと推測する。当時、映画館で上映されていたフィルムはニトロセルロースを主材とした可燃性のものであり、映写室は防火壁で囲まれ、知識・技術をもった映写技師が危険と隣り合わせで映写機を回していた。 もくじへ |
●フィルムの経年変化を見て |
映画フィルムは、保存経過においてそのベース素材が空気中の水分と結合して加水分解をおこし、酢酸ガスを放出しながら溶解してゆく性質をもっている。これをビネガーシンドロームと呼んでいる。本来は保存性のよいものであるが、昭和初期に撮影されたものは実に60〜70年の時が過ぎ、湿度の高い日本の気候と相まって既に多くのフィルムが何らかのダメージを受けている。学術的にも劣化はフィルムの製造から30年を過ぎると急速に始まると言われている。 もくじへ |
● 小型映画フィルムのタイプ別経年変化 ● | ||
1、9.5ミリーパテーベビー、パテックス(日本における開始時期1923年頃) | ||
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30フィートボビン、60フィートボビン、300フィートリールが主な映写形態となっている。フィルムベースの厚さが功を奏してか、くっつき合っているものはほとんど見受けられず年数を経ている割に状態の良いものが多い。パーフォレーションの目欠きは比較的多くあり、映写キズと合せ、映写回数の多さがうかがえる。ボビンは金属製で強度があり、熱に対しても強い。 | |
写真1 9.5ミリパテーベビーのボビン(上段:60フィート 下段:30フィート) | ||
2、16ミリオールドタイプ サイレント16コマ/秒(日本における開始時期1928年頃) | ||
まれにネガからのプリントもあるが、家族の撮ったものは基本的にリバーサル。初期のコダクロームもわずか出てくるがマゼンダ色に褪色している。通常400フィートリールを最大とし、金属缶に入れられている。缶の中央部にナフタリンのポケットをもった保存缶もある。経年変化の状況はさまざまで、悪いものは蛇の脱皮状に至っている。 | ||
3、8ミリ レギュラー8(一般にダブルと呼ばれている)戦前のもの(1935年頃) | ||
コダック社が開発したアセテートベースのフィルムで昭和10年から13年頃にかけて広まる。六櫻社(サクラフィルム)も、8ミリフィルムの製造を始める。大阪にコダックジャパンリミテッドの現像所が開設され初期のコダクロームも現像されるが、しだいに戦時色となり、やがて機能を停止する。 | ||
4、8ミリ レギュラー8 戦後のもの(1958年頃) | ||
戦後、ようやく人々の暮らしが落ち着き、8ミリ機材も国産のものが数多く製造されるようになった。昭和33年頃から、東京オリンピックの開催された昭和39年がダブル8の全盛期となる。 | ||
5、スーパー8(1965年) | ||
昭和40年にコダックが開発した新方式。撮影フィルムはカートリッジに収められ極めて扱いやすくなった。サクラフィルムもこの方式に追従。白黒、カラーとも使用されているが圧倒的にカラーが多く使われている。撮影からすでに30年から40年が経ちアセテートベースの縮みによってピッチ不良となり映写時に画面ゆれを生じるものが多い。長尺リールで保存しているものはフィルムのたわみ、反りを生じ結果的に平面性不良をきたし映写時のピントに影響を及ぼす。 | ||
6、シングル8(1965年) | ||
スーパー8とほぼ同時期に開発された富士フィルムの新方式。同様にフィルムもマガジン方式になっているが、その形が異なるためにカメラは専用となる。特徴的なことはフィルムベースがポリエスター(石油系から精製)となり、接合がフィルムセメントではなくテープ式(専用のスプライシングテープ)になった。 もくじへ |
●テレシネを前提とした修復について | ||
私どものテレシネは8ミリ、9.5ミリ、16ミリのいずれにおいても撮影・映写された当時の映写機での再撮影の方法をとっているので、変形したフィルムをスムーズに映写できるように修復することがまずもっていちばんの作業である。 |
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1、修復可否の見極め | |
変形・湾曲したフィルムは極端な場合、スルメを焼いたときのように丸まり、ひも状になっている。収縮は縦・横方向ともに波及し、フィルムピッチは3、4つ目のパーフォレーションでずれが生じている。またエマルジョンとベースの分離がおこっているものも多く、乳剤面の縮緬じわが顕著に表れている。フィルムの重量もかなり低減し、乾燥と相まって走行におけるループを保つことができなくなっている。外見上このようになっていても、フィルムがバラバラとわれなければ何とかなるものとして、ひとつの目安にしている。 さらに、これまでの経験により、ビネガーシンドロームの進行を酢酸臭の強弱によってある程度判断できるようになったことである。酸っぱい臭いが強ければ進行の度合いはピーク、もしくはそれ以前であり、超えたものは臭いが弱く、アンモニア臭(昔の小学校の臭い)に変化する。要するに臭いが強いうちは修復には十分に値するものと考えている。(写真2) | ||
写真2 変形・酢酸分解した8ミリフィルム |
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2、修復方法 | |
ビネガーシンドローム等によって変形・分解したフィルムの修復方法について説かれた書物を私は目にしたことがない。フィルムの耐久性は非常に強く、近年まではこのようなフィルムを修復する必要は無かったわけだから、当たり前のことでもある。現在、何らかでフィルム修復にかかわっている人たちのほとんどは手探り状態で試行錯誤の上と考えている。 | ||
写真3 変形したフィルムのアイロン掛け | ||
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*手順2 ※水気、水分を加えた修復実験もやってみたが、短時間での丸まり、白濁等がおこり、状況はさらに悪くなった。 | |
写真4 アイロンを掛ける前(写真上)と修復後(写真下) |
●テレシネ作業のこだわり |
入念な修復作業を終えても、ここまでは準備段階であって、この後それぞれのフィルムを映写・再撮しなければならない。 もくじへ |
●今後のフィルム保存について | ||
弊社にテレシネの依頼があれば私はできる限り、その家庭や保存先を訪問し、保管状況を見るようにしている。これまで多くのフィルムと接してきて、ビネガーシンドロームが単に温度・湿度のみに起因するばかりではないと推測している。これ以上に物理的な要因によるものが多くあるのではなかろうか。今後のフィルム保存について次のような点に注意されれば少しは寿命を長らえることができると考えている。 ● ビネガーシンドロームの発生を遅延させる方法として(家庭でできること)●
1、フィルムリールは平積みにして保存する。(フィルム自重によるたわみを平均化する) 株式会社 吉岡映像 代表取締役:吉岡 博行(特許取得【特許第5176049号】 / 2013年1月)
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WARNING! | ||
ここ数年の間に、さらにフィルムの劣化が激しくなっている傾向にあります。 | ||
修復後サンプル映像はこちら |
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